漢詩(1)杜甫 高胼
1.水檻遣心  杜甫 
2.江村 杜甫   
3.山亭夏日 高駢
漢詩(2)  李商隠
1.夜雨寄北  
2.嫦娥  3.漢宮詞
4.登樂遊原  
5.錦瑟  6.瑤池 
杜甫の年譜
0.はじめに   
1.青年期    
2.長安仕官活動10年
3.仕官と安禄山の乱
4.官辞し乱を避て紀行
5.成都浣花渓草堂 
6.南国漂泊  

 杜甫李白を詠う

 王維ものがたり
1.生誕から26歳 

   












 ● 田園楽 七首

 ● もう川集 20首
李白ものがたり
 李白詩  
 李白ものがたり  
 杜甫を詠う2首と1首
王維・李白・杜甫  その時
杜甫10歳・李白21歳・王維23歳
杜甫25歳・李白36歳・王維38歳
杜甫35歳・李白46歳・王維48歳
    (安史の乱)
  ●安禄山の叛乱
  ●叛乱の背景
各時代の概略と詩人



4.唐時代と詩人
5.宋時代以降
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江上望青山憶舊
  清・王士  28歳  

揚子秋殘暮雨時,
笛聲雁影共迷離。
重來三月山道,
一片風帆萬柳絲。

(去年に来た時は)揚子のある揚子江の秋が終わろうとする夕暮れに降る雨の折で、笛の音(ね)も(空を飛んで行く)カリの姿も、どちらもともにぼんやりとしていた。
(今回、)春の終わりの陰暦三月に再び青山道にやって来たが、一片(ひとひら)の風に吹かれて進む帆掛け船に、あまたの柳の枝が枝垂(しだ)れている。

江上にて青山を望み 舊きうを憶おもふ
揚子よう し に秋は殘すたるる暮雨ぼうの時,
笛聲てきせい雁影がんえい共に迷離めい り 。
重ねて來きたる  三月 山の道,
一片の風帆ふうはん  萬の柳絲りゅうし

































江上望青山憶舊
   清・王士    
長江如練布楓輕,
千里山連建業城。
草長鶯啼花滿樹,
江村風物過清明。

長江は、ねりぎぬのように(波は穏やかで)、布の帆は軽やかであり、遥か彼方までの山は、建業城(現・南京市)まで連なっている。
草は伸びウグイスは鳴いて、花は木に満ちていて、(「草長鶯啼花滿樹」といった)川沿いの村の景色は、清明節の時期が過ぎた(趣(おもむき)である)。

江上にて青山を望み 舊きうを憶おもふ
長江 練の如く  布? 輕く,
千里 山は連なる  建業城。
草は 長じ 鶯は 啼き  花は 樹に滿つ,
江村の風物は  清明を過ぐ。




























漢文委員会7 漢詩ZERO

 
ジオ倶楽部 漢詩(1)



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  このページは「杜甫」「高駢」 漢詩紹介のページです。

このサイトは、漢文委員会の本サイトが膨大なのでとらえてにいくいので、別の入り口的にジオシティーズを活用させてもらっています。これからも漢詩を身近なものにして行く努力をする漢文委員会をよろしくお願いします。
 漢文委員会のページは日々拡大・充実、進化していきます。

1.水檻に心を遣る     杜甫 作時:寶應元年 762年 51歳 五言律詩
水檻遣心     杜甫


 去郭軒楹敞、無村眺望余。

 澄江平少岸、幽樹晩多花。

 細雨魚児出、微風燕子斜。

 城中十万戸、此地両三家。
水檻に心を遣る  

我家は城外にあり軒のきも柱もゆったり、付近に村はない 眺望もよい

澄んだ川水は 岸に溢れる様に流れ、静かに茂る樹、

晩春の花は咲きほこる

小ぬか雨に魚は顔をちょっと出し、そよぐ風、燕は斜めに飛ぶ

城中、十万戸、この地は両隣、二三軒だけ。

 成都浣花渓、草堂の周りの情景を詠っています。当時の成都の戸数は、おおよそ三〜四万戸。古都で、当時としては大都会です。その郊外、長江の流れのそばに草堂を立て、ゆっくりとした時間を過ごします。


○郭 中国の街は塞の塀のように町がぐるっと囲まれています。街のこと。また、城郭ともいう。 ○軒楹かんえい 軒と広間にある大きな柱のこと。 ○敞 しょう ひろびろとしているさま。開けている。

○眺望余 眺望(見晴らし)に余韻か残る。眺めがよいことをあらわす。 ○細雨 小ぬか雨  ○魚児出 魚がちょこっと顔を出す。
 水檻遣心     杜甫


 去郭軒楹敞、無村眺望余。

 澄江平少岸、幽樹晩多花。

 細雨魚児出、微風燕子斜。

 城中十万戸、此地両三家。
かくを去って軒楹けんえいひろく、村無くして眺望はるかなり  
澄江ちょうこう平らかにして岸少なく、幽樹ゆうじゅおそくして花多し  
細雨さいう魚児ぎょじ出で、微風びふう燕子えんし斜めなり  
城中じょうちゅう 十万戸、此の地 両三家りょうさんか
漢詩のきまりについて
 難しく考えないでください。日本人は漢字の意味が分かります。一区切りの言葉を分解していくことです。英語は単語の間をあけますが漢詩では開けません。
しかし言葉は原則2語と3語で作られています。
水檻遣心(水檻に心をやる)は五言律詩です。○○+○○○、○○+○○○。と読んでください。     
去郭+軒楹敞、無村+眺望余。
  ○○+○○○、○○+○○○。                    
澄江+平少岸、幽樹+晩多花。
  ○○+○○○○○+○○○  澄江+平少岸、幽樹+晩多花  
細雨+魚児出、微風+燕子斜。
  ○○+○○○○○+○○○  細雨+魚児出、微風+燕子斜  
城中+十万戸、此地+両三家。
  ○○+○○○、○○+○○○。                     


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2. 江村  杜甫
江村
 C江一曲抱村流、長夏江村事事幽。
 自去自來梁上燕、相親相近水中鴎。
 老妻畫紙爲棊局、稚子敲針作釣鈎。
 多病所須唯藥物、微躯此外更何求。  
清らかな川の一くねりが村を抱きかかえ流れて、夏の長い日、川べりの村は、すべて静かにすぎる。
梁の上の(つがいの)ツバメは、行ったり来たりしている、水面の水鳥 親しみ近寄ってくる。
わが妻は紙に線を引いて碁(ご)盤を作り、幼いこどもは、縫い針をたたいて釣り針を作っている。
病気がちのわたしがただ薬を必要とし、こんな我が身がこのほか 何を求めることがあろうか。

○相親相近 親しみ近づいてくる。○鴎〔おう〕白い水鳥。
○敲針 縫い針をたたく。
上の二首とも杜甫の作品です。杜甫49歳の時の作品で初夏を詠っています。こんなにやさしい作品は少ないですが、詩に自分の妻を詩の題材にするのは杜甫が漢詩史上初めてなのです。この時期まで社会派リアリズムの詩を多く詠っていましたがこうした優しい詩が増えていきます。 

漢詩のきまりについて
 難しく考えないでください。日本人は漢字の意味が分かります。一区切りの言葉を分解していくことです。英語は単語の間をあけますが漢詩では開けません。
しかし言葉は原則2語と3語で作られています。
水檻遣心(水檻に心をやる)は五言律詩です。○○+○○○、○○+○○○。と読んでください。     
 次の江村は七言律詩です。これは○○+○○+○○○と読みます。                対       句                   韻
C江+一曲+抱村流,長夏+江村+事事幽。 ○○+○○+○○○、○○+○○+○○○。                            
自去+自來+梁上燕,相親+相近+水中鴎。 ○○+○○+○○○○○+○○+○○○自去+自來+梁上燕相親+相近+水中鴎    
老妻+畫紙+爲棊局,稚子+敲針+作釣鈎。 ○○+○○+○○○○○+○○+○○○老妻+畫紙+爲棊局稚子+敲針+作釣鈎    
多病+所須+唯藥物,微躯+此外+更何求。 ○○+○○+○○○、○○+○○+○○○。                              


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3. 山亭夏日   高駢
克陰濃夏日長、樓臺倒影入池塘。

水精簾動微風起、一架薔薇滿院香。
 緑樹の木蔭は色濃く、夏の日は長い、

高楼は影を落とし池の水面に映っている。

 水晶の簾すだれが動きそよ風を教えてくれる、  一棚のバラは部屋まで香を運んでいっぱいにする。
山亭夏日
山の中のあずまやでの夏の日の昼。
 ・山亭 山の中のあずまや。山斎。 ・夏日 夏の日の昼間。

克+陰濃+夏日長
緑の樹の木蔭は濃く、夏の日の昼間は長く。
 ・陰:〔いん〕かげ。日かげ。物に覆われているところ。なお、後出の「影」〔えい〕は、姿、形、水面や鏡にうつる像、かげぼうし、まぼろし、というように「形ある姿」のこと。

樓臺倒影入池塘
高殿(たかどの)の姿がさかさまになって池の水面にうつっている。 ・樓臺:高殿(たかどの)と台(うてな)。屋根のあるうてな。また、高い建物。 ・倒影:さかさまに水面にうつった像。 ・影:〔えい〕水面や鏡にうつる像。姿。形。かげぼうし。まぼろし。 ・池塘:〔ちとう池の堤。池。

水精+簾動+微風起
水晶でできた簾(すだれ)が動いてそよ風が起き(たことが解り)。
 ・水精:〔すゐしゃう〕水晶。「水晶」〔すいしょう〕ともする。 *事実の因果関係を理屈っぽく謂えば「微風起兮水簾動」である。もっと俗にすれば「微風起而水簾動」。本来このような意味でこの詩が作られたのならば「水簾動」は孫悟空の「水簾洞」のように水のカーテン=庭の瀧か噴水は考え過ぎか。その場合作者のいる場所は庭先。また、「水精簾」を部屋の窓辺に懸けられているものならば、後出の「院」の意は「部屋、建物」の意になる。以上余談。 ・簾:すだれ。カーテン。 ・微風:そよ風。 ・起:(風などが)おこる。

一架+薔薇+滿院香
(微風のため)ひとたなのバラ(の香りが)庭中(部屋中)に満ちて香ってきている。 ・一架:ひとつの(バラの蔓を這わせた)棚。「滿架」ともする。その場合、後出の「滿院」は「一院」とする。 ・薔薇:〔しょび、さうび〕バラ。ノイバラ。 ・院:中庭。塀や建物で、周りを囲まれた庭。日本の「にわ」よりも閉鎖的な空間。また、部屋。 ・香:かぐわしい。かおる。

山亭夏日

克 陰かげこまやかにして夏日長く
樓臺ろうだい影を倒さかしまにして池塘に入る。
水精すいしょうの簾れん 動きて微風起こり,
一架の薔薇しょうび  滿院香かんばし。
克陰濃夏日長、樓臺倒影入池塘。

水精簾動微風起、一架薔薇滿院香。
368 高胼 こうべん 821〜887
 字は千里。幽州(現・河北省)の人。文武両道にすぐれた人物で渤海郡王にまでなった。禁軍将校の家門の出で武芸を好み、儒学・文学にも造詣があった。党項討伐・南詔撃退に功があり、安南都護・成都尹・剣南西川節度使・天平節度使などを歴任した。877年に江淮塩鉄転運使として王仙芝を大破し、889年からは淮南節度使として黄巣討伐の全権を与えられたが、境内の保全に終始して黄巣の北上を黙認し、880年の潼関陥落と僖宗の四川蒙塵を招来した。後に自立を図るようになり、妖宗の狂信を不服とする部下に殺された。


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