予備知識その1  石田流本組み+α  (2008年記)

三間飛車のひとくちメモ 新館「石田流の予備知識 石田流本組み」に移行しました。

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予備知識その2  升田式石田流  (2008年記)

升田式石田流

「升田式石田流」は、その名の通り升田幸三実力制第4代名人が編み出した攻めの布陣です。 升田式石田流の駒組みの特徴として、下記が挙げられます。(石田流側を先手としています)

 ・角交換型
 ・▲6六歩はできるだけ保留
 ・▲7八金型

一番の特徴は、「角交換型」という点でしょう。角交換がないと升田式石田流ではない、と言っても過言ではありません。居飛車側からの角交換を誘うため、▲6六歩はできるだけ保留します。ちなみに自分から角交換をすると一手損になってしまうので、あまりお勧めできません。もし居飛車側が角交換をしてこなければ、▲7六飛のあと角道を止めて「石田流本組み」にスイッチすることもできます。

続いて、角交換をして浮き飛車にすると、必然的に左辺下部が薄くなり角打ちに非常に弱くなるため、バランス重視で▲7八金型をとることになります。参考手順は以下の通りです。

初手からの指し手
▲7六歩  △3四歩
▲7五歩  △8四歩
▲7八飛  △6二銀
▲4八玉  △8五歩
▲3八玉  △4二玉
▲7六飛  (第1図)

手順中△6二銀に対し、▲6六歩から▲7六飛と戦うこともできますが、あくまでも角道は止めずに突っ張るのが升田式石田流。 また、△6二銀に対し▲7四歩と突く手が見えます。これが「早石田」という奇襲戦法です。 奇襲戦法の書籍だと、ここで△7四同歩と取ってくれるので先手も十分に戦えますが、 実際には手厚く△7二金!(失敗図)で受け止められてしまいますので注意。 後述の「新・石田流(7手目▲7四歩)」の変化と違い、 金銀2枚で7三の地点が守られているため、攻め切れません。

第1図以下の指し手
        △8八角成
▲同 銀  △6四歩
▲2八玉  △6三銀
▲3八銀  △3二玉
▲7八金  (第2図)

第2図がオーソドックスな一例です。なお△8八角成のところ角交換を保留してくるならば、前述の通り▲6六歩から石田流本組みを目指すこともできます。

第2図以下、先手は7七銀型(第3図)か、7七桂+5七銀型か、または7七桂+6七銀型とするのが一般的です。 7七銀型は、8筋から逆襲を狙っていく積極的な手。2008年時点で最有力とされています。 後者2つは手詰まりになりやすいと言われていますが、バランスの取れた美しい布陣にできますし、 じっくりとした戦いが好きな方にはお勧めです。

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予備知識その3  3・4・3戦法  (2005年記)

3・4・3戦法

「3・4・3戦法」とは、 「島ノート 振り飛車編」(島 朗先生 著) のP120 から数ページに渡り紹介されている、石田流戦法の一種です。 どうしても石田流に組みたい「石田流LOVE」な方ならば、是非とも知っておきたい手順だと思います。 「島ノート」では後手番における3・4・3戦法が紹介されていますが、先手番でも有効だと思いますので、見易さも考慮し先手番での手順をここで紹介します。

まず初手から▲7六歩△3四歩▲7五歩(第1図)と、さっそく石田流三間飛車の構想を見せます。 この▲7五歩(後手番ならば△「3」五歩)が、最初の「3」です。 これに対し、4手目△8四歩や△6二銀、△5四歩ならば、予備知識その2「升田式石田流」で説明した通り、 3・4・3戦法を用いることなく直接▲7八飛と振って、問題無く石田流に組むことができます。 角交換からの△4五角打には、4手目△8四歩と△6二銀には▲7六角、4手目△5四歩には▲8五角の反撃 (以下の展開についてはMEMO13「升田式封じ△5四歩型」参照)があるからです。

しかし4手目△4二玉(第2図)に対しては、▲7八飛とするのは危険とされています。 以下今度こそ△8八角成▲同銀△4五角とされるからです。△4二玉が良く利いており、上記の▲7六角または▲8五角の反撃がどちらも無効です。

そこで現れたのが、第2図以下▲7八飛でなく、途中下車の▲6八飛(第3図)。 この6筋(後手番ならば4筋)への飛車の転換が、「4」に当たります。 これならば、角交換からの△4五角はありません(6七の地点に飛車の利きがあるので)。 一手損ですが、無用な乱戦を避けながら石田流に組める、角道止め(▲6六歩)を保留できるといった利点があります。 また、居飛車側が対石田流を意識し時期尚早に△6四歩を突こうものならば、四間飛車のまま▲6六歩〜▲6五歩といったさばきを狙うこともできます。

そして形を保留したまま、美濃囲いが完成した時点(▲3八玉とし、2七の地点をケアしたタイミングでも構いませんが)で、 満を持しての▲7八飛(第4図。後手陣は一例)。これが、最後の「3」です。

以上で、「3・4・3戦法」の構想、および名前の由来についての説明を終わります。より詳しく知りたい方は「島ノート」をご覧ください。

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予備知識その4  新・石田流(7手目▲7四歩)  (2008年記)

新・石田流

「新・石田流」とは、鈴木大介八段が考案した7手目▲7四歩(第1図) からの一連の新構想に付けられた呼び名です。俗に「鈴木新手」とも呼ばれます。 新・石田流は、第32回(2005年)升田幸三賞に輝きました。

第1図の7手目▲7四歩は、長い間(それこそ数十年の間)成立しないと考えられていました。 なぜなら、第1図以下△7四同歩▲同飛にそこで△8八角成▲同飛△6五角、という切り返しが見えるからです。 しかし実際には、そこで▲5六角(第2図)と合わせれば先手も十分に戦えることがわかりました。 他にもいろいろな後手のカウンター手段がありますが、2008年現在どの変化も先手十分に対応できると考えられています。

新・石田流が成立するとなると、先手にとっては7筋の歩を手持ちにすることができ、手を作りやすくなり、 手詰まりになる心配も軽減されます。

この構想が優秀のため、そもそも第1図の局面を避けようと 第1図の前の△8五歩を突かずに先に△6二銀と上がる後手番構想が増えたりもしました。 「飛車先を伸ばす」という序盤の当たり前の一手を封じてしまうほど、 新・石田流は将棋の序盤戦術に大きな影響を与えた、ということになります。

(参考サイト:『「新・石田流(7手目▲7四歩)」まとめ (特許明細書風)』

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予備知識その5  立石式石田流(立石流四間飛車)  (2008年記)

立石式石田流(立石流四間飛車)

「立石式石田流」は、アマ強豪・立石勝己氏が編み出した石田流構想です。 この構想は一般的には「立石流四間飛車」と呼ばれていますが、 「真・石田伝説 (MYCOM将棋文庫)」 にて、結果的に石田流の駒組みになることを前面にうたう意図なのでしょうか、「立石式石田流」と紹介されました。 本説明でもこの名称をメインとしておきます。

立石式石田流は、第1図に示す通り、その構想を明示する前は普通の四間飛車と同等といえます。 しかしここから、立石式石田流独特の軽快な指し回しが始まります。

第1図からの指し手
▲6五歩  △8五歩
▲7五歩  (第2図)

大胆不敵な6筋と7筋の歩の伸ばし。以下8筋の飛車先歩交換には▲7八金から▲8七歩で受け止めます。 また、角交換には▲8八同銀で問題ありません。一見銀がそっぽに行かされて不満のようですが大丈夫。後述します。

第2図のあと、角交換(居飛車側から角交換してこなければこちらからいきましょう。交換後▲8八銀と上がるのを忘れずに) から▲6六飛〜▲7六飛とするのが独特な構想第2弾。 6筋の位をとった、大胆な石田流の完成です。 居飛車側に△6三銀型を取られないので、 △8四飛と飛車を浮かれない限りいつでも▲7四歩と仕掛ける権利を持っているのが長所の1つといえます。

十数手進んで第3図。ここまでは自然な手順です。 なお、角交換しているため居飛車側を穴熊に組ませにくくしている(穴熊にして駒が偏ると角打ちのスペースが生じる)、 というのが隠れた長所です。 第3図からは、定跡を知っていないとなかなか指しづらいかもしれません。

第3図からの指し手
▲7九銀  △3五歩
▲6八銀  △4三金右
▲6七銀  △3四銀
▲5六歩  △2四歩
▲5八銀  (第4図)

悪形の左銀をじっと中央へ移動。 居飛車側からは仕掛けづらく石田流側に主導権のある形なので、手損はしていますがあまり響きません。 もちろん居飛車側の左辺(玉形)は手が進み、「玉頭位取り」の好形にはなりますが、 石田流側も右辺は金銀3枚の美濃囲いと堅くなった上、左辺も伸び伸びとして満足な形。 好勝負が期待できるでしょう。 以下の仕掛けの構想などは、参考文献をご参照下さい。

●参考文献:
 真・石田伝説―石田流の秘法を伝授 (MYCOM将棋文庫)
 力戦!スーパー振り飛車 (毎日コミュニケーションズ)
 新スーパー四間飛車U (毎日コミュニケーションズ)

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