第1章・第1節  猫だまし戦法とは?  (2004年記)

猫だましとは?

どの定跡書やサイトでも取り上げられていない(取り上げようともしない(笑))、 変わった面白い戦法を紹介していきたいと思います。「戦法」とは言っても難しいものでありません。 残念ながら先手番限定ですが、先手であれば、相手の指し手に関係なく絶対に使えます。

スタートは、いたって簡単。初手に「▲7八飛」と指すだけ。 初手から三間飛車を明示する、「究極の三間飛車LOVE戦法」ともいえるかもしれません。

この初手▲7八飛戦法を、「猫だまし戦法」と名付けました。初手からすぐさま大駒同士がくっつくところを、 立ち合いからいきなり両手をパチンと合わせる相撲技「猫だまし」と見立てています。 当然、相撲技と同様初手▲7八飛は相手をかく乱できます。 単なるこけおどしにもなり得るところも、この技と似ているかもしれません(笑)。 以下、相手が熱くなってきた場合は、まわしを取り合わない激しい戦いに。 相手が慌てず落ち着いて対処してきた場合は、何事も無かったかのように普通の落ち着いた戦いに(ただし猫だまし側は軽やかで素早い軽量級力士です)。 相撲技と同じです。

また、将棋の最も有名な奇襲戦法の1つに「鬼殺し」というものがありますが、 本戦法の一変化に鬼殺しが含まれています。「鬼殺し」と「猫だまし」が語感がよく似ている、 というのも命名理由の一つです。ただ、「鬼すら殺す」戦法と「猫をだます」戦法では、 ネーミングの恐ろしさが段違いですね(^^;。

さてこの「猫だまし戦法」ですが、「普通の三間飛車じゃん」とか、「8筋受かるの?」 とか思われるかもしれません。しかし意外や意外、以下の展開は、自分の土俵で戦える優れモノです。 ただしこの戦法を指すには条件があります。「升田式石田流が好みの1つ」であることと、 「相振り飛車戦において、後手番感覚の陣形(角道を止めない、△5三銀型の陣形) が好みの1つ」であることです。

次項では、初手▲7八飛の実戦譜を紹介します。

★2008年3月追記:
最近の研究で、何と初手▲7六歩に対する後手番猫だまし(2手目△3二飛)が成立することがわかりました。
詳しくは、「将棋世界」2008年4月号や、「週刊将棋」2008年3月5日号、12日号を参照下さい。 なお週刊将棋では、この手を「いきなり三間」というネーミングで紹介しています。
とりいそぎ、ブログ「将棋の神様」でも簡単に紹介してみました。

→「衝撃の後手番猫だまし(2手目△3二飛)戦法 − 将棋の神様〜0と1の世界〜」

5章第1節で、「初手▲7六歩に対し2手目△3二飛は成立しない」と書いてしまっていますが、これは間違いでした。いずれ修正したいと考えています。

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