それは種すら残ってない「幻のかぶら」

湯涌かぶらは、今から約280年前に発行された「加賀国物産誌」に、その名が記録されていますが、いまは栽培されていない、幻の地域野菜です。70〜80年前までは炭焼き小屋の周辺で、灰を使って栽培されていた、 との言い伝えもありますが、湯涌かぶらを食べたことはもとより、見たことのある人もいませんでした。

地元では湯涌かぶらの復活に取り組む活動が早くから行われてきました。 活動は湯涌かぶらの原種を探すところから始めましたが、資料不足のため原種探しを断念しました。

平成18年からは、言い伝えられてきた湯涌かぶらの特徴「赤くて細長いかぶら」に近い品種の選定に着手しました。 石川県県央農林総合事務所、金沢市農業センター、石川県農業総合研究センターの指導を受け、5種類の蕪を栽培し、 交配し、選別しました。こうした作業を毎年繰り返し、平成22年秋の収穫時には、赤紫と赤の2色の細長いかぶらが育ち、 これを新しい『金沢湯涌かぶら』の品種にしました。

平成23年9月に湯涌かぶらの畑を2か所(約360坪)を確保し、 畝をつくり、種をまき、11月に初収穫を迎えることができ約1万個の収穫を見込んでいます。

また、平成22年、23年は湯涌かぶらの栽培と並行して、石川県中小企業団体中央会の支援を受け、生産者、 食品加工業者、レストランなどが連携し、湯涌かぶらの商品開発、販路開拓、知名度向上などに取り組みました。 その成果発表会を平成23年12月5日に開き、金沢湯涌かぶらをお披露目を執り行いました。
 

今後は、湯涌地区の地域ブランド野菜として、更に地元農家との連携を強化し、休耕地の活用を図りながら生産量を年々増やし生産拡大に努めていきます。

 

湯涌地区の豊かな水・空気がもたらす自然は、地域野菜を育むに最適な環境であり、地域ブランドとして成長させるために、より品質の高い栽培法や、また安心・安全な生産管理等の研究をすすめてまいります。


今年は、かぶらの販売先も限定いたしまたが、今後は地元朝市や市内の八百屋など、新たな流通拡大が見込めるよう生産調整に努めてまいります。

 

また、湯涌温泉観光事業協同組合全体で加工品(漬物、ポン酢)の共同販売や、また新たなかぶらの用途開発等もすすめ、県民に愛される地域野菜づくりを目指していきます。